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還暦記念エッセイ─余生の過ごし方 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(140)]

No.4846 (2017年03月11日発行) P.72

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2017-03-11

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  • 3月14日に還暦を迎えます。と書くと、読者の皆様の「おめでとうございます」というお祝いの言葉が、全国津々浦々から聞こえてくるような気がします。ありがとうございます。お言葉だけで十分、お祝いをお送りいただく必要はございません。

    生まれて7カ月の時に、父親が35歳でみまかっている。若い頃、自分もそれくらいで死ぬんじゃないかと思っていた。井上ひさしが確か同じようなことを書いていたし、中井貴一にいたっては、父・佐田啓二が亡くなった年齢まで結婚しなかったほどだ。幼くして父親を亡くした男子は、そういう気持ちになりがちなのかもしれない。

    まぁ、実際にはその歳で死ななかったんだから、すでに有意義で楽しい余生生活25年みたいなもんで、実にありがたいことだ。しかし、平均余命まで生きられるとすると、まだ20年以上もある。はて、定年後に何をしようか、真剣に考え始めている。

    どこかで今の研究を続ける気持ちは完璧にゼロだ。研究者としての旬はとうの昔に過ぎているのだから、若い人に道を譲るべきだろう。それ以上に、一度きりの人生なのだから、他のこともやってみたい。

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