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形成外科領域におけるリンパ浮腫の外科治療 【現在の主流は,リンパ管静脈吻合術,リンパ節移植術,脂肪吸引術の3術式】

No.4842 (2017年02月11日発行) P.58

清水雄介 (琉球大学医学部附属病院形成外科特命教授)

橋川和信 (神戸大学大学院医学研究科形成外科学准教授)

登録日: 2017-02-09

最終更新日: 2017-02-07

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  • 近年,四肢のリンパ浮腫に対して積極的に外科的治療が行われています。形成外科領域におけるリンパ浮腫の外科的治療について,神戸大学・橋川和信先生にお伺いしたいと思います。

    【質問者】

    清水雄介 琉球大学医学部附属病院形成外科特命教授


    【回答】

    四肢のリンパ浮腫は,癌治療の副作用・後遺症のためリンパ流が阻害されて生じる続発性リンパ浮腫と,原因不明の原発性(特発性)リンパ浮腫に大別することができます。続発性の場合はリンパ流を再生させることが根治治療になりますが,残念ながら今のところ,広く臨床応用されているリンパ系の再生治療はありません。したがって,原因不明である原発性と同じく続発性においても対症治療(病態治療)が行われます。

    歴史が古く,最も普及しているのは複合的治療と呼ばれる保存的治療です。これは圧迫療法,用手的リンパドレナージ,運動療法,スキンケアを複合させる方法で,一定の効果を期待することができます。複合的治療は確立された治療法ですが,その効果には限界もあることから,治療成績の向上をめざして,近年は外科的治療も盛んに行われるようになってきました。

    外科的治療における最近のトピックスは,リンパ管静脈吻合術,リンパ節移植術,脂肪吸引術の3つです。以下にそれぞれについて概説します。

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