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小児における低侵襲な胸腔鏡手術時の特性・注意点【使用する硬性鏡,ポート,分離肺換気に工夫を要する】

No.4824 (2016年10月08日発行) P.52

藤原俊哉 (広島市立広島市民病院呼吸器外科部長)

松原寛知 (山梨大学第二外科講師)

登録日: 2016-10-07

最終更新日: 2016-10-18

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  • 呼吸器外科医として,主に成人の手術に携わっていますが,時に小児外科から呼吸器手術について相談を受けることがあります。小児において,低侵襲な胸腔鏡手術を行うにあたり,成人とは異なる小児の特性や注意すべき点についてご教示下さい。山梨大学・松原寛知先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    藤原俊哉 広島市立広島市民病院呼吸器外科部長


    【回答】

    小児は成人と比べて胸腔内が狭く,胸壁から肺門までの距離が短く,肋間が狭いという特性があります。また,気管が細いため麻酔も問題となります。通常使用する分離肺換気のチューブを使用することができません。胸腔鏡手術を行うにあたり,これらの特性に注意する必要があると考えます。

    (1)胸腔鏡
    成人の場合は通常5〜10mmの硬性鏡を使用することが多いと思いますが,私たちの施設では,小児の場合は3mmの硬性鏡を使用しています。通常,3mmでは暗く,視野が狭いため安全に手術を行うことが難しいと考えられますが,小児の胸腔内は狭いため,3mmの狭い視野でも問題なく肺門周囲を適切に観察することができます。また,胸壁から肺門までの距離も近いため,光が弱い3 mmの硬性鏡でも十分に明るく見え,安全に手術を行うことができます。

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