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(2)大腸内視鏡の前処置・薬剤投与の基本と工夫,検査に伴う偶発症への対応[特集:内視鏡検査の前処置と薬剤投与]

No.4971 (2019年08月03日発行) P.28

大森 順 (日本医科大学消化器内科学)

貝瀬 満 (日本医科大学消化器内科学教授/内視鏡センター長)

登録日: 2019-08-05

最終更新日: 2019-07-31

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腸管前処置の質は,内視鏡検査・挿入性・患者の検査受容性・内視鏡治療に影響を与える。近年新しい腸管洗浄薬(モビプレップ,ピコプレップ)が登場し,洗浄効果,安全性,受容性などを考慮して患者ごとに洗浄法を選択できるようになった

前処置不良の要因として,入院,男性,慢性便秘,糖尿病,腸管洗浄薬服用量不足,抗うつ薬服用,洗浄時間12時間以上,腹部骨盤内手術などが報告されている。これらを事前に把握するために,大腸検査歴・便秘・糖尿病,精神科処方薬の有無を確認することが重要である

鎮静薬は検査受容性を改善するが,呼吸抑制などの偶発症の危険性を認識して安全に使用することが大切である

腸管蠕動は内視鏡の挿入を難しくするだけでなく,詳細な粘膜面の観察も困難にする。質の高い検査を行うために,大腸内視鏡検査における蠕動抑制薬は重要である

大腸内視鏡検査の主な合併症として出血と穿孔がある。穿孔をきたすと,緊急手術を要することもあるが,可能であればクリップや消化管壁全層縫合器(OTSC)による縫縮を試みる。穿孔のハイリスク例として,高齢・ステロイド内服・重篤な併存疾患などで腸管壁の脆弱性が疑われる症例,憩室多発例,癒着症例,がん性腹膜炎などが挙げられる

1. 大腸内視鏡検査における前処置の重要性

大腸内視鏡検査において良好な前処置が重要であることは,内視鏡医であれば誰でも認識していることである。大腸内視鏡前処置の成否は,検査時間,挿入難易度,ポリープ発見率と関連があると報告されている1)。近年広く普及している画像強調や拡大観察では,質の高い前処置が前提となっている。

患者の多くは,検査時の疼痛や前処置薬の量や味に不満を持っている。検査受容性の向上には,苦痛のない前処置,検査手技が重要で,患者の不満は以後の検査拒否に直結する。

様々な腸管洗浄薬の登場により,薬剤選択の幅が増えたが,安全性と受容性と洗浄度のバランスを考えて選択することが必要となる。そのためには薬剤に関する理解が必要不可欠である。さらに高齢者や腎・心疾患合併者への検査機会が増え,大腸内視鏡検査に特別な配慮が必要な症例が増加している。合併症ハイリスクな症例の特徴などを十分理解した上で,検査適応を慎重に判断し,万が一合併症を起こした場合の適切な対処法にも熟知しておく必要がある。

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