株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

(3)遠隔転移検索の検査[特集:最新の肺癌確定診断の進め方]

No.4965 (2019年06月22日発行) P.31

一瀬淳二 (がん研究会有明病院呼吸器センター外科副医長)

登録日: 2019-06-24

最終更新日: 2019-06-19

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

治療方針の決定には,遠隔転移検索が必須である

肺癌が転移しやすい臓器は,脳,骨,肝臓,副腎,肺である

胸腹部造影CT,PET/CT,頭部造影MRIを行うことが推奨されている

1. なぜ遠隔転移検索を行うのか

肺癌と診断された場合,続いて病期診断を行う。これは,TNM分類を用いた病期診断によって正確な予後予測が可能なためであり,治療方針の決定には病期診断が必須である。

米国における2004~2010年の肺癌(小細胞癌を含む)の5年相対全生存率は16.8%であり,肺癌のうち57%は診断時に既に遠隔転移を起こしていた1)。各病期における5年相対全生存率は,限局期54%,所属リンパ節転移例27%である一方,遠隔転移例では4%ときわめて不良であった。

遠隔転移が存在する状態では手術および放射線照射による局所治療の効果が非常に限定的となるため,局所治療の前には必ず遠隔転移検索を行わなければならない。ただし,患者に積極的な治療を行う希望がなく,予後を知りたいという意思もなければ,病期診断を行う必要はないとも言える。

2. 肺癌の遠隔転移の特徴

肺癌が転移しやすい臓器は,脳,骨,肝臓,副腎,肺である。ほかにも脈絡膜,皮膚,腎臓,膵臓,脾臓,小腸,大腸,心臓,骨格筋など,どの臓器にも転移する可能性はある。

プレミアム会員向けコンテンツです(期間限定で無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top