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(2)診察室ですべき認知症の人と家族への非薬物療法[特集:認知症の非薬物療法と介護資源の利用法]

No.4964 (2019年06月15日発行) P.24

色本 涼 (桜ヶ丘記念病院/慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)

田村法子 (慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室/医療安全管理部)

藤澤大介 (慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室准教授)

登録日: 2019-06-17

最終更新日: 2019-06-12

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認知症治療の目標は,残存した機能を最大限に生かし生活の質(QOL)を維持し,心理・社会的背景にも気を配り,本人のニーズや尊厳を重視した患者本位の治療を行うことである

専門的な介入でなくとも,様々な技法を部分的にでも日々の対話やケアに取り入れることで,本人や家族の心理状態の向上,行動・心理症状(BPSD)の軽減,ひいては生活の質の向上につながる

1. 認知症ケアにおける重要な心構え

認知症の根治的治療法が確立されていない現在,治療の目標は残存した機能を最大限に生かし生活の質(quality of life:QOL)を維持することにあり,非薬物療法は大きな役割を占める1)。そこでは,個々の患者の病状や身体的要因に応じた対策を図るのみならず,病前性格,地域や家庭における役割,家族との関係など心理・社会的背景にも気を配り,本人の視点や立場に立ち,ニーズや尊厳を重視した患者本位の治療を行う2),いわゆるパーソンセンタードケア(person-centered care)が求められる。

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