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(1)認知症の非薬物療法のエビデンスとその方法[特集:認知症の非薬物療法と介護資源の利用法]

No.4964 (2019年06月15日発行) P.18

大沢愛子 (国立長寿医療研究センターリハビリテーション科医長/認知行動科学研究室室長)

前島伸一郎 (金城大学学長)

登録日: 2019-06-17

最終更新日: 2019-06-12

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認知症の人との関わりの基本はパーソンセンタードケアである

認知症の行動・心理症状(BPSD)には,原則的に非薬物療法を優先的に行う

非薬物療法では,環境整備とともに,介護者家族を含むケアが大切である

認知症では,認知機能だけでなく身体機能や生活機能の維持も重要である

残存機能を大切にし,残った機能を最大限に生かす生活指導を実施する

非薬物療法は,これからも,エビデンスの構築が期待される分野である

1. 認知症を取り巻く現状

認知症の有病者数は今も増えており,治療や予防に関する社会的要請はますます高まっている。わが国においても認知症はついに要介護の要因の第1位となり,2025年には65歳以上の有病者数が700万人に達すると予想されている(平成28年国民生活基礎調査,厚生労働省)。このような状況の中,認知症の人に対する予防的・治療的試みはさらに重要性を増し,医療現場や介護・福祉現場において,様々な非薬物療法が行われている。しかし,介入の内容や期間が異なっており,いまだ確立した方法はないのが現状である。

本稿では,いくつかのエビデンスとともに,認知症に対する代表的な非薬物療法を紹介し,認知症の人に接する上での具体的な方法や注意点について解説を行う。

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