株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS 真備町の医療「壊滅状態」 岡山県医師会が報告

No.4917 (2018年07月21日発行) P.20

登録日: 2018-07-17

最終更新日: 2018-07-17

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

医療関係39団体で構成する被災者健康支援連絡協議会(代表=横倉義武日本医師会会長)が13日に開かれ、西日本豪雨の被災状況や支援活動の状況について、被災県医師会(岡山・広島・愛媛)、医療団体、関係省庁が報告した。

岡山県医師会の松山正春会長は著しい被害を受けた倉敷市真備町の医療について「壊滅状態」と強調。「いかに早く復旧して、住民に(自宅に)帰っていただくかが医師会のミッション」として協力を求めた。松山氏は、「診療したときに、患者から診療費をもらうか、市によって指示が異なり非常に混乱している」という状況も報告。厚生労働省に対し早急な解決を求めた。

熱中症については、11日には20名の患者が救急搬送されたが、避難所の空調環境の整備によって12日は2名に減少したという。その一方で、避難者は日中に片づけなどの作業を行っていることから、刺し傷などの外傷が増えており、「医療ニーズが変わってきている」と指摘した。

保健医療分野の指揮調整機能の応援を行う「災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)」が12日、岡山県に派遣されたことに対しては、「期待している」と述べた。DHEATは、熊本地震などの経験を踏まえ、厚生労働省が今年3月に創設した制度。派遣は今回が全国で初めて。17日からは広島県にも派遣される予定だとしている。

岡山県医師会で理事を務めていた日医の江澤和彦常任理事は、まび記念病院と介護老人保健施設ライフタウンまびで孤立した職員や患者を8日に全員救出できたことについて「不幸中の幸い」と説明。まび記念病院では、同日中に食料・水がすべて尽きており、「全員搬出がミッションだった」と述べた。また、ライフタウンまびの職員は6名のみで体力的に限界だったという。

岡山県医師会が県外に対してもJMAT派遣を要請したことから、日本医師会は14日より2週間、県外から派遣されるJMATを含め、常時8チームで被災者支援を行う方針を示した。リハビリテーション関係13団体から成る「大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会」(JRAT)などとも連携して活動するとしている。

■被災者診療時の費用について厚労省が周知

診療費用について厚労省は、医療機関・薬局に対し、被災により患者が保険証を提示できない場合でも保険診療が可能だと改めて明示。その際は、氏名・生年月日・連絡先(電話番号等)・加入している医療保険者が分かる情報の確認が必要だとした。さらに一部患者の窓口負担について、10月末までの診療にかかる支払いを受け取る必要はないとした上で、窓口負担の額も含めた全額を保険請求することを求めた。該当する患者は、①西日本豪雨における災害救助法の適用市町村の住民のうち、同法適用市町村の一部の国保・同法適用市町村が所在する府県の後期高齢者医療、協会けんぽ・一部の健保組合の加入者、②住家の全半壊・全半焼・床上浸水・これに準ずる被災、主たる生計維持者が死亡・重篤な傷病・行方不明・事業の廃止や休止・失職し無収入となった旨を申し出た者―としている。厚労省は、こうした対応について、被災地以外の医療機関・薬局でも同様だとしている。

緊密な連携のもと、現地の要請に合った支援の必要性を指摘する横倉氏

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top