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■NEWS DMAT事務局、人員増強など体制強化に向け予算確保を 厚生労働省

No.4916 (2018年07月14日発行) P.19

登録日: 2018-07-09

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厚生労働省の「救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会」(遠藤久夫座長)は6日、「議論の整理」を大筋で取りまとめた。報告書を踏まえ厚労省は、災害派遣医療チーム(DMAT)事務局の体制を強化するための予算を概算要求に盛り込む方針。

DMAT事務局には、東西の事務局に33人が配置されているが、専任の常勤職員は3名と少なく、体制の脆弱性が指摘されていた。議論の整理では、人員増強や、大規模災害時に他の病院からロジスティクスを含めた災害医療の専門知識を持つ者の応援が得られる体制整備を求めた。応援を受けやすくするためには、DMAT事務局が病院内の一部門となっている現状を改め、病院とは別組織として位置づけ、人材育成のための研修事業も創設すべきとした。

このほか、災害時を想定した燃料の供給手段の確保の方向性も明確化。災害拠点病院の指定要件に、燃料を優先的に供給される体制の整備を加えるとした。地域の関係団体・業者と協定を締結し、燃料の供給を受けるために平時から情報共有を行うといった関係の構築を求めた。

病院前医療を効率的に提供するため、医師派遣、患者搬送手段の選択、効率的な運用方法を地域の救急医療関係者が協議する必要性も明記。ドクターヘリやドクターカー事案の事後検証や適切な要請基準の改訂を含め、メディカルコントロール協議会で協議すべきとした。

ドクターヘリの安全運航については、事業者に対し安全教育や多職種連携、包括的な安全情報の共有を求め、安全管理体制を強化する。

厚労省は、燃料確保、ドクターヘリの安全運航については近く通知を発出する予定。病院前医療の効率的な提供については、消防庁と調整の上、通知を出したいとしている。

検討会では今後、広域災害・救急医療情報システム(EMIS)のシステム設計や災害拠点精神科病院の整備促進、高齢化を踏まえた社会経済構造の変化に対応するための救急医療体制などについて、引き続き議論を深める方針。

 厚労省は今後について「2020年度の概算要求や次期診療報酬改定に向けて議論を進めていきたい」と説明した

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