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脳動脈解離の診断・治療【診断には画像検査が必須。適切な血圧管理のもと保存的治療が中心となる】

No.4912 (2018年06月16日発行) P.56

櫻井圭太 (帝京大学医学部放射線科学講座准教授)

山脇健盛 (広島市立広島市民病院脳神経内科上席主任部長)

登録日: 2018-06-13

最終更新日: 2021-01-07

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  • 脳動脈解離を疑うのはどのような場合でしょうか。また,診断や治療はどのように行うのでしょうか。
    広島市立広島市民病院・山脇健盛先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    櫻井圭太 帝京大学医学部放射線科学講座准教授


    【回答】

    脳動脈解離とは,何らかの原因により頭蓋内または頭蓋外の動脈に内膜損傷が生じ,動脈壁内に出血した状態を言います。その結果,動脈壁が外方に向かって膨隆すると瘤を形成し,内腔に向かって膨隆すると血管を狭窄または閉塞させます。前者では,頭蓋内であればくも膜下出血となり,後者では,脳梗塞,一過性脳虚血発作といった虚血性脳血管障害を発症します。

    罹患動脈により,頭蓋外と頭蓋内にわけられ,それぞれが内頸動脈系と椎骨脳底動脈系に分類されます。欧米では頭蓋外内頸動脈解離の頻度が最も高いのですが,わが国では頭蓋内椎骨動脈解離の頻度が圧倒的に高くなっています。発症様式からは,前述の出血性発症,虚血性発症のほかに,頭痛発症にわけられます。

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