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膠原病診療ノート 症例の分析 文献の考察 実践への手引き

究極の実践書、全面改訂!

定価:6,264円
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著: 三森明夫(岩手県立中央病院参与 腎臓リウマチ科)
判型: B5判
頁数: 624頁
装丁: 単色
発行日: 2013年02月20日
ISBN: 978-4-7849-5344-8
版数: 第3版
付録: -

膠原病診療の王道を示し、圧倒的支持を受けるロングセラーの全面改訂版。最新・最先端の知見を踏まえた実践的治療のノウハウを余すところ無く記述。病態の推移に対応し、的確な治療を選択していく上でポイントとなる事項を網羅しつつ、きわめて簡潔に要点をまとめあげています。膠原病以外の疾患との鑑別にも意を尽くした内容で、内科書としても一級品です。

目次

0章 膠原病科での初期診療と総合診療
1.総合内科診療における膠原病の知識の有用性性
2.抗核抗体,自己抗体
3.熱と炎症反応
3-1.発熱の生理学理学
3-2.炎症反応(CRP,赤沈)の生理学
3-3.発熱と炎症反応の臨床
3-4.不明熱の疾患スペクトラム
1章 疾患単位を越えた膠原病の諸病態
1.間質性肺炎
2.肺高血圧症
3.Raynaud現象,皮疹
4.皮膚の血管病変の分類と,皮膚潰瘍の治療
5.膠原病科でみる腎病態と,RPGN
2章 ステロイド薬とほかの免疫抑制薬
1.副腎ステロイド(glucocorticoid)
1-1.内服ステロイドによる膠原病治療のプロトコール
1-2.ステロイドパルス
1-3.ステロイド薬の副作用
2.免疫抑制剤
2-1.cyclophosphamide
2-2.calcineurin阻害薬
2-3.その他の免疫抑制薬;mycophenolate mofetil,azathioprine
3.血漿浄化法
4.γグロブリン大量静注療法(IVIG)
3章 全身性エリテマトーデス(SLE)
1.SLEの診断,抗核抗体の解釈
2.SLEの経過と治療計画
2-1.SLE経過の全体像を考えるためのデータ
2-2.SLEにおけるステロイド治療計画
3.皮膚病変と日光過敏
4.心病変と肺高血圧症
5.肺病変
6.消化器病変
6-1.消化器症候による分類
6-2.臓器による分類
7.ループス膀胱炎(lupus cystitis)
8.血算異常
8-1.白血球減少
8-2.貧 血
8-3.血小板減少
8-4.SLEによる汎血球減少と血球貪食症候群
9.TTPまたはthrombotic microangiopathy
10.ループス腎炎
10-1.ループス腎炎の検査と治療
10-2.ループス腎炎の腎病理と治療方針の文献的考察;標準的見解
10-3.生検病理以外の,強力な腎予後因子;当科での分析
10-4.ループス腎炎の治療
11.神経精神/neuropsychiatric(NP)SLE
11-1.NP-SLEの診断と鑑別(精神症状以外)
11-2.精神症状;Diffuse psychiatric/neuropsychiatric syndromes
11-3.NP-SLEの治療
12.眼病変
13.SLE患者が妊娠したときの問題
14.新生児ループス(neonatal lupus syndrome)
4章 抗リン脂質抗体症候群
1.抗リン脂質抗体/APの生理学
2.APSの臨床
3.血栓症一般の危険予測に関する考察
5章 血球貪食症候群
1.HPSの分類
2.成人HPSの診断と鑑別法
3.HPSの病態生理
4.治療
6章 自己免疫性の肝疾患と,IgG4関連疾患
1.自己免疫性肝炎(AIH)
2.原発性胆汁性肝硬変(PBC)
3.IgG4関連疾患(IgG-related disease)
7章 Sjögren症候群
8章 多発性筋炎,皮膚筋炎
1.PM,DMの筋所見
2.筋の異常所見を示す鑑別一覧
3.皮膚筋炎の皮膚所見
4.特発性筋炎の分類概念
5.PMとDMの診断基準
6.治療開始時の脱力とCK値の評価
7.全身合併症の評価
8.PM,DMの治療
8-1.脱力の入院治療(初期治療から退院前のリハビリまで)
8-2.筋症状の外来維持治療
8-3.間質性肺炎の診断と治療
8-4.DMの皮膚壊死の治療
8-5.DMの石灰化の治療
9.PM,DMと悪性腫瘍の関係
9章 強皮症(全身性強皮症/SSc)
1.初期診療に必要な総論とSScの分類
2.SScの診断と鑑別
3.SScの病態各論と評価法(皮膚硬化,肺線維症,肺高血圧症,消化器病変,強皮症腎,その他の問題)
4.皮膚硬化の治療
5.臓器病態に応じた治療薬
5-1.末梢循環不全
5-2.強皮症腎の治療
5-3.肺高血圧症と心病変の治療
5-4.肺病変の治療
5-5.消化管病変
5-6.石灰化
10章 混合性結合組織病
11章 血管炎症候群
1.血管炎の分類名と総論
2.ANCA関連血管炎と古典的PNの病像
2-1.古典的PNとmicroscopic polyangiitisの概念
2-2.PNの亜型;限局性PN,小児PN,溶連菌感染によるPN,皮膚型PN
2-3.Churg-Strauss症候群(CSS,EGPA)の病像
2-4.Wegener肉芽腫症(WG,GPA)の病像
2-5.MPAおよびPN類縁疾患の診断過程
2-6.生検の臨床的解釈
2-7.PN,MPA,WG(GPA),CSS(EGPA)の治療
3.高安動脈炎
4.Cogan症候群
5.側頭動脈炎=巨細胞性動脈炎(GCA)
6.Buerger病(thromboangiitis obliterans)
7.クリオグロブリン血症(cryoglobulinemia)
8.Henoch-Schönlein紫斑病(anaphylactoid purpura)=IgA血管炎
12章 リウマチ性多発筋痛症
13章 好酸球増多症と好酸球増多症候群
1.末血eosinophiliaの原因一覧
2.HESの治療
14章 Behçet病
1.診断の方法
2.臨床所見の各論
3.特殊型Behçet
4.治療
5.鑑別疾患;ぶどう膜炎の原因,様々な結節性紅斑,Sweet病
15章 サルコイドーシス
16章 関節リウマチ
1.抗CCP抗体とリウマトイド因子
2.分類基準または診断基準
3.RAと鑑別を要する疾患の一覧
4.RA関節炎の診察像と画像
5.関節炎の活動性評価法
6.RA関節炎の薬物治療
6-1.治療計画の総論と学会ガイドライン
6-2.経口DMARDsの使用法
6-3.Biologicsの使用法
6-4.関節炎に対するステロイド薬の位置づけ
7.RA患者に生じる肺障害
8.肺以外の内臓合併症
9.Felty症候群
10.RAの血管炎(悪性関節リウマチ)
11.薬以外のRA治療(白血球除去カラムなど)
17章 若年性特発性関節炎と成人発症Still病
1.小児の特発性関節炎の分類
2.多関節型,少数関節型JIAの治療
3.Still病,成人発症Still病
3-1.臨床像
3-2.治療
18章 脊椎関節炎
19章 その他の関節症,および痛風
20章 日和見感染症
1.総論
2.膠原病科における日和見感染症の各論
終章
●巻末付録
●あとがき

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序文

€本改訂3版で初めて本書を見る方々は、次頁、初版まえがきで作成意図をご覧いただけたら幸いである。第2版が、思いがけず診療現場で10年間も支持されたので、再改訂するのが義務のように感じた。一方で、総合内科の手引き書の編著に時間を費やしていたが(国立国際医療研究センター内科ハンドブック─ 総合的内科診療の原理と実践。日本医事新報社、2011)、その作業も筆者には同じように重要だったし、内科全般を見直せたことが、本書の改良にも役立った。
€

関節リウマチ/RAの治療法は大いに変わったので章全体を変えた。この10年で新たに報告された分類基準は、RA、JIA、脊椎関節炎、SLE、抗リン脂質抗体症候群、強皮症、MCTD、血管炎症候群、PMR、IgG4関連疾患に及ぶ。本書もそれらを取り込んだが、アップデートは副次的なことでもあり、膠原病全般について、当科スタッフとともに深化させてきた考え方と実践を記したことに、改訂の本旨がある。標準見解を示してから私見を述べる構成は、旧版と同様である。2版までは、症例経験と文献を考察したが、今回の有意義な追記は、データベース集計と統計にある。白兵戦の戦術に加え、岡の上から眺めた戦略も述べたと言えば陳腐な譬えだが、以下の点には新規性があると思う。ループス腎炎、初発MCTD、顕微鏡的多発血管炎について、統計的に合理性のある治療案を呈示してみた。観察に基づく、標準化されていない治療選択肢は、SLE血球貪食症候群、Still病、皮膚筋炎DADについて記した。癌共存の皮膚筋炎の特徴、強皮症腎の分類に関する考察は、旧版から一貫して欧米の認識と異なるようだが、根拠を明示してあるから、独善ではないと思う。SLEのステロイド治療日程には色々異なる意見がある。今回、文献情報や考え方それぞれの由来を探り、読者の判断で妥当な方針を選べるように配慮した。

2013年2月  三森明夫

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レビュー

【書評】深化する膠原病学

山本一彦氏(東京大学大学院医学系研究科アレルギー・リウマチ学教授)
1999年に本書が出版された時には、このような臨床医学の教科書が我が国にはなかったことから、新鮮な驚きとともに執筆者の三森明夫氏の臨床症例に対する考え方の鋭さに、皆が尊敬の念をもって膠原病学の面白さ・奥深さを勉強した。自らが経験した症例の分析、文献の考察、そしてそれをどのように実地診療に応用するかを、時に三森哲学を交えながら記述したこの本は、若者には膠原病学への恰好の入門書となり、すでに専門医となっていた我々には、自らの努力の足りなさを痛感しながら、自分とは違う臨床判断を学ぶ絶好の再教育の書として受け入れられた。

その後、リウマチ・膠原病学は、いくつかの生物学的製剤を含む数々の治療薬が導入され、従来の「診断は面白いが治療は今ひとつ」の領域から、最も進歩している臨床領域の1つへと変貌を遂げつつある。それにつれ、本書は多くの医学書の中で数少ないベストセラーとして、何回も増版を重ねながら第2版とその増補が作られてきた。本書の誕生にほんの少しだけ関わった者として、出版の直後に書評を書かせていただいた後も、頼もしくその成長を見守ってきたつもりである。

そして本年2月、第3版として100頁ほど増えた新しい本ができあがった。また書評を頼まれたのであるが、今回はすぐに書くのはやめて、この本を机の上に置き、自分なりにもう一度、自らが遭遇する症例を考える時のレファランスとして使ってみようと考えた。

実は、旧版についてはかなり勉強させてもらったので、今度はそれほどの新鮮味はないだろうと、高をくくっていたのである。しかし、読み進むにつれて、旧版の多くの箇所が書き直され、多くの新しい事実と考察が加わっていることが分かってきた。1人の臨床医が10年間で、これだけ膠原病学を深化させることができるとは驚きである。本書により、我が国の膠原病学が再び進化することは間違いないであろう。

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「ステロイド使い」の奥義?!

Amazonカスタマーレビュー
膠原病は実に多彩で多科に渡る臨床症状を有している割には、多くの臨床家が苦手意識をお持ちの事と思います。また、60歳以上における不明熱は感染症か悪性腫瘍に二分される一方で、それよりも若年層では膠原病を無視する事はできないのが実情です。

本書は、自験例なども挙げ、この手の成書としては比較的明瞭かつ具体的に説明されています。最大の魅力は、膠原病には欠かせないステロイドの使い方に大きく章を割いていることかもしれません。これは実地において極めて重宝です。実際、大抵の本では「開始量どれどれ、以後漸減し何mgで維持」としか書いていませんが、本書ではその漸減の方法にとどまらず、漸減中の再燃や感染合併時の対処法などがきちんと解説されています。何よりも、私も医局の先輩に経験論的にしか教わらなかった「ステロイドの内服から点滴への変更時の奥義」まで記載されているのには、一種感動さえ覚えました。

また、CRPや赤沈などの重要なパラメーターの経過における変化の意義と判断についても詳細に説明されており、そういった意味では、専門施設から寛解後のfollow upを依頼された先生などにも大変役立つと思われます。

また、私のように大学を離れて「野に下り(?)」しがない一般内科として診療しているにもかかわらず、日々「膠原病っぽいんですけど・・・。」と難問を持ち込まれる「半端者」には、昔の知識の整理と新たな知見を確認するのに最適です。

残念なのは写真が少なく、また白黒である点(膠原病では皮膚病変も重要ですから)とMMP-3についての記載がないことくらいでしょうか。

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