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オーダーメイド医療をめざした 生活習慣病の遺伝子診断ガイド<第2版>

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定価:3,850円
(本体3,500円+税)

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著: 山崎義光(医療法人AMC西梅田クリニック 理事長/株式会社サインポスト 代表取締役)
判型: B5判
頁数: 128頁
装丁: カラー
発行日: 2017年08月10日
ISBN: 978-4-7849-5441-4
版数: 2
付録: -

動脈硬化症など,生活習慣病の発症に関連する遺伝情報が,個人の健康管理にとっていかに有益な情報になりうるか。健康管理への具体的利用はどうするかの最新情報を満載。
肥満遺伝子,酸化ストレス・体内老化関連遺伝子,動脈硬化関連遺伝子,コレステロール関連遺伝子,高血圧関連遺伝子,高血糖関連遺伝子,血栓関連遺伝子,アレルギー関連遺伝子,歯周病関連遺伝子,骨粗鬆症関連遺伝子,関節症関連遺伝子,近視関連遺伝子,アルツハイマー型認知症関連遺伝子など,各種遺伝子についてわかりやすく解説しました。

診療科: 内科
    臨床検査
  基礎医学 遺伝学

目次

Q1 遺伝子検査の目的とは?
Q2 遺伝因子 ─ 疾患の発症に関わる遺伝子とは?
Q3 遺伝子診断の検査の流れは?
Q4 遺伝子検査で何を測る?
Q5 遺伝子情報① 肥満遺伝子とは?
Q6 遺伝子情報② 酸化ストレス,体内老化関連遺伝子とは?
Q7 遺伝子情報③ 動脈硬化関連遺伝子とは?
Q8 遺伝子情報④ コレステロール関連遺伝子とは?
Q9 遺伝子情報⑤ 高血圧関連遺伝子とは?
Q10 遺伝子情報⑥ 高血糖関連遺伝子とは?
Q11 遺伝子情報⑦ 血栓関連遺伝子とは?
Q12 遺伝子情報⑧ アレルギー関連遺伝子とは?
Q13 遺伝子情報⑨ 歯周病に関する遺伝子とは?
Q14 遺伝子情報⑩ 骨粗鬆症に関する遺伝子とは?
Q15 遺伝子情報⑪ 関節症に関する遺伝子とは?
Q16 遺伝子情報⑫ 近視に関する遺伝子とは?
Q17 遺伝子情報⑬ アルツハイマー型認知症に関する遺伝子とは?
Q18 その他の遺伝子検査は?
Q19 一般的な食事指導とは?
Q20 生活習慣病に対する運動・日常活動指導は?
Q21 患者さんからの“よくある質問”

Column
野生型? 変異型?
お酢は高血圧予防の強い味方
アレルギーを抑制する食べ物
骨量を増やすには
たばこ,紫外線,放射線
エコノミークラス症候群

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序文



ヒトの全ゲノムが解読できるようになって久しいが,その膨大なデータから有益な情報を得るためのアプローチはいまだ確立されたものはなく,したがってそれらのデータのフィードバックの手技も確立されていないのが現状であろう。
著者は,1990年頃に糖尿病患者の動脈硬化関連遺伝因子の研究を端緒とし,遺伝子解析による「糖尿病合併症診断プログラム」を上梓した。このシステムは,糖尿病合併症の危険因子を血圧などの古典的危険因子とともに関連する遺伝因子を解析することにより,その進展の予測,進展阻止のために介入すべき危険因子を提示したもので,当時としては画期的なシステムと認知された。しかしながら,リスク診断のみで行動変容まで起こさないことには一定の効果を生まないことから,遺伝子解析に基づいた生活習慣病に対する行動変容を促すべく開発・上梓したものが「遺伝子解析に基づく運動・食事指導プログラム」であり,現在でもひろく医療機関で使われ一定の評価を得ていると自負している。この両者の遺伝子解析プログラムの説明書となるべく上梓したのが本書の初版である「オーダーメイド医療をめざした生活習慣病の遺伝子診断ガイド」であり,2008年8月に出版された。
この時期に遺伝子解析技術も飛躍的に発展し,GWAS(Genome Wide Association
Study)の進展は,多数の疾患の関連遺伝子の同定のみならず,以前は働きが不明であった種々の遺伝子の解明にもつながり,現在では10万円台で全ゲノム情報を入手できる時代となった。しかしながら,この膨大なデータの有効的な活用法はいまだに全く見えてこないという現状があり,解析技術の進展とは逆に,その全貌解明の道はますます遠のいた印象を持つのが研究者の偽らざる感想であると思われる。
著者らは,疾患との関連性がわかりやすい説明が可能な“候補遺伝子”を解析対象として,遺伝子解析の結果を遺伝子検査を受ける人にいかにわかりやすく説明し,実生活で活用可能な運動指導・食事指導に繋げることこそが生活習慣改善への行動変容を促す有効な手段となりうることを伝えてきた。事実,遺伝因子に基づかない従来型の生活指導ではその効果は持続せず,一方で遺伝子診断結果を加味した生活習慣指導は,その効果がはるかに持続しうることを見出している。
本書で扱っている遺伝子のほとんどは古典的な遺伝子が主である。現在きわめて多数の遺伝子と疾患の関連性が明らかとなりつつあるが,本書で扱っている遺伝子の多くはエビデンスがますます増え続ける有用な遺伝子であり,また主として“候補遺伝子”であることから,遺伝子にあまりなじみのない医療関係者や遺伝子検査を受ける人にとっても理解しやすい遺伝子であると考えられる。
本書が遺伝子に興味を有する一般の方々に遺伝子解析の意義が伝わり,生活習慣改善の有効な手段として広まれば,関係者として望外の喜びである。

平成29年7月
山﨑 義光

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