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全身性エリテマトーデス臨床マニュアル

SLEのすべてを網羅した1冊!

定価:9,288円
(本体8,600円+税)

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著: 橋本博史(順天堂大学名誉教授)
判型: B5判
頁数: 416頁
装丁: 2色部分カラー
発行日: 2017年09月13日
ISBN: 978-4-7849-5412-4
版数: 第3版
付録: -

●SLEの診断や病態把握、治療法の選択、予後の予測、合併症への対応等、すべてを網羅!

●ヒドロキシクロロキンミコフェノール酸モフェチルの薬理作用・薬物動態・適応・効果・投与量のほかベリムマブの現況も追記しました。

豊富な自験例を踏まえつつ、臨床医にとって有益な指針を明示。

皮膚病変、骨・関節・筋症状、腎症、精神神経症状、心病変、肺病変、消化器病変、血液学的病変、内分泌系障害など臨床病態ごとに治療・管理を詳述しています。

Dubois'を読むのは辛い…という方々にもおすすめです。

目次

Ⅰ章 概念・疫学
【1】SLEの概念とその変遷
1.SLEの歴史
2.抗核抗体の発見と自己免疫
3.診断基準の変遷
4.治療の変遷
5.SLEのモデル動物
6.現在におけるSLEの疾患概念

【2】SLEの疫学
1.推定患者数,有病率
2.男女比,診断時年齢
3.背景因子
4.初発症状
5.臨床症状・検査所見
6.予後・死因
 1)自験例の成績
 2)最近の動向


Ⅱ章 病 因
【1】遺伝的要因
1.家族集積性
2.性染色体/性ホルモン
3.疾患感受性遺伝子
 1)HLA遺伝子
 2)非HLA遺伝子
 3)リスクアリルの数と疾患感受性
 4)疾患感受性遺伝子から推測されるSLE発症機構

【2】環境因子

【3】エピゲノム機序

【4】免疫応答と調節機構の異常
1.免疫寛容の破綻
2.抗原の由来
3.抗原供給に伴う免疫応答細胞と可溶性メディエーター
4.T細胞異常
4.B細胞異常
5.病因的自己抗体の産生と治療戦略

【5】組織障害機序

【6】病理組織学的所見
1.皮膚
2.腎
3.心
4.血管
5.肺
6.網内系

Ⅲ章 検査所見
【1】一般検査所見
1.血液学的検査
2.尿検査
3.便検査
4.生理学的検査
5.画像検査

【2】免疫血清学的検査所見
1.抗核抗体
 1)蛍光抗体間接法による抗核抗体
 2)抗DNA抗体
 3)LE因子または抗DNA: ヒストン抗体
 4)抗非ヒストン核蛋白抗体
 5)抗核小体抗体
 6)抗セントロメア抗体
2.抗リン脂質抗体
3.その他の自己抗体
4.免疫複合体
5.血清補体価
6.細胞性免疫検査

【3】生検による病理組織学的検査


Ⅳ章 診 断
【1】診断の進め方
1.初発症状と病歴聴取のポイント
 1)主訴,初発症状からSLEを疑う
 2)既往歴
 3)家族歴
 4)社会歴,生活像など
2.診断に重要な臨床症状
 1)発熱
 2)皮膚症状
 3)関節・筋症状
 4)腎臓の障害
 5)中枢神経障害
 6)心臓・肺障害
 7)消化器の障害
 8)その他の症状
3.検査の組み立て方

【2】診断・分類基準

【3】鑑別診断

【4】SLEの近縁疾患とその鑑別
1.関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)
 1)概念
 2)臨床的特徴
 3)診断,鑑別診断
2.全身性強皮症(systemic scleroderma:SSc)
 1)概念
 2)臨床的特徴
 3)診断,鑑別診断
3.多発性筋炎・皮膚筋炎(polymyositis/dermatomyositis:PM/DM)
 1)概念
 2)臨床的特徴
 3)診断,鑑別診断
4.シェーグレン症候群(Sjögren syndrome:SjS)
 1)概念
 2)臨床的特徴
 3)診断
5.IgG4関連疾患(IgG4 related disease:IgG4-RD)
6.混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)と重複症候群(overlapping syndrome),鑑別不能の結合組織疾患(undifferentiated connective tissue disease:UCTD)
 1)MCTDとは,重複症候群とは,UCTDとは
 2)MCTDの臨床的特徴
 3)MCTDの診断,鑑別診断
7.血管炎症候群
 1)結節性多発動脈炎(polyarteritis nodosa:PN)
 2)顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA)
 3)多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)
 4)好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA,Churg-Strauss症候群:C-S)
 5)巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis)
 6)高安動脈炎(大動脈炎症候群)(Takayasu’s arteritis,aortitis syndrome)
8.薬剤誘発ループス
9.抗リン脂質抗体症候群
10.成人スチル病(adult onset Still disease)
 1)概念
 2)特徴的臨床像
 3)診断,鑑別疾患
11.ベーチェット病(Behçet’s disease)
 1)概念
 2)臨床的特徴
 3)診断
12.リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)
 1)概念
 2)臨床的特徴
 3)診断
13.自己炎症性疾患
14.結合織炎,線維筋痛症(fibrositis,fibromyalgia syndrome)


Ⅴ章 病型分類,亜型
【1】病型分類
1.皮疹による分類
2.経過による分類
3.加齢による分類
4.自己抗体,免疫異常による分類
5.ループス腎炎の組織学的病型分類
6.重症度・予後からみた病型分類
 1)軽症SLE
 2)中等症と重症SLE

【2】亜型
1.Pre-SLE
2.薬剤誘発ループス
3.DLE
4.亜急性皮膚型LE(SCLE)
5.新生児ループス
6.補体欠損に伴うLE様症候群
7.抗核抗体陰性SLE
8.抗リン脂質抗体症候群


Ⅵ章 治 療
【1】治療目標と治療方針

【2】非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)
1.作用機序
2.NSAIDsの種類と選択の仕方
3.適用
4.副作用

【3】副腎皮質ステロイド薬(ステロイド薬)
1.ステロイド薬の抗炎症作用機序
2.ステロイド薬の種類
3.投与方法
4.適用病態
5.用法・用量
6.妊娠合併SLE患者におけるステロイド治療
7.ステロイド薬が不応性の場合の要因
8.ステロイドの吸収・代謝と他剤相互作用
9.副作用とその対策
 1)感染症
 2)糖尿病・耐糖能異常
 3)消化性潰瘍
 4)骨粗鬆症・圧迫骨折
 5)精神症状(ステロイド性精神病)
 6)副腎皮質機能不全
 7)その他

【4】免疫抑制薬
1.SLEにおける免疫抑制薬の位置づけ
2.SLEに用いられる免疫抑制薬とその作用機序
 1)アルキル化剤
 2)代謝拮抗薬
 3)細胞内シグナル伝達阻害薬
3.適用
4.投与法
5.使用上の留意点

【5】ヒドロキシクロロキン硫酸塩(hydroxylchloroquine sulfate:HCQ)
1.クロロキンとは
2.薬理作用・薬物動態
3.適応,効果
4.投与量
5.副作用
6.投与中モニタリング
7.妊娠・授乳

【6】抗リウマチ薬

【7】アフェレーシス療法
1.原理と歴史
2.施行方法
 1)PP
 2)CP
3.生物学的意義
 1)PP
 2)CP
4.適応疾患・病態
 1)PP
 2)CP
5.臨床的効果
 1)PP
 2)CP

【8】ガンマグロブリン療法

【9】今後の治療
1.B細胞を標的とする治療薬
 1)リツキシマブ
 2)オクレスズマブ(ヒト型抗CD20モノクローナル抗体)
 3)エプラツズマブ
 4)ベリムマブ
 5)アタシセプト
2.T細胞を標的とする治療薬
3.サイトカイン阻害薬
4.補体成分C5抗体
5.造血幹細胞移植


Ⅶ章 臨床病態と治療・管理
【1】皮膚病変
1.急性皮膚型LE(acute cutaneous lupus erythematosus:ACLE)
2.亜急性皮膚型LE(subacute cutaneous lupus erythematosus:SCLE)
3.慢性皮膚型LE(chronic cutaneous lupus erythematosus:CCLE)
4.新生児ループス
5.bullous LE
6.口腔粘膜潰瘍
7.日光過敏症
8.蕁麻疹様皮疹
9.皮膚血管炎
10.脱毛
11.レイノー現象,末梢循環障害,凍瘡様皮疹
12.その他

【2】骨・関節・筋症状
1.関節症状
2.筋症状
3.治療

【3】腎症(ループス腎炎)
1.ループス腎炎の特徴
2.ループス腎炎の病態評価
 1)臨床的評価
 2)組織学的指標
 3)血清学的指標
3.病型別治療法と治療手段
 1)ステロイド薬
 2)免疫抑制薬
 3)生物学的製剤
 4)血漿交換療法
 5)抗凝固療法
 6)血液透析,その他
4.おもな病態の治療の実際

【4】精神神経症状
1.自験例の検討
 1)病態とその頻度
 2)精神症状
 3)神経症状
2.病態診断
 1)SLEの他の症状との相関
 2)検査所見
 3)重症度の評価

3.新しいSLEの精神神経症状分類
 [A]中枢神経系 ─a.神経症状
 1)無菌性髄膜炎(aseptic meningitis)
 2)脳血管障害(cerebrovascular disease)
 3)脱髄性症候群(demyelinating syndrome)
 4)頭痛(片頭痛および良性頭蓋内圧亢進症も含む) (headache including migraine and benign intracranial hypertension)
 5)運動障害(舞踏病)(movement disorder,chorea)
 6)脊髄障害(myelopathy)
 7)痙攣発作および発作性疾患(seizure and seizure disorders)

 [A]中枢神経系 ─b.びまん性精神的/精神神経症候
 1)急性昏迷状態(acute confusional state)
 2)不安障害(anxiety disorder)
 3)認知障害(cognitive dysfunction)
 4)気分障害(mood disorder)
 5)精神病性症状(psychosis)

 [B]末梢神経系
 1)急性炎症性脱髄性多発神経根神経炎,ギラン・バレー症候群(acute inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy,Guillain-Barré syndrome)
 2)自律神経障害(autonomic disorder)
 3)単神経炎,単発/多発(mononeuropathy,single/multiplex)
 4)重症筋無力症(myasthenia gravis)
 5)脳神経障害(neuropathy,cranial)
 6)神経叢炎(plexopathy)
 7)多発性神経炎(polyneuropathy)

4.治療

【5】心病変
1.心囊炎
2.心筋炎
3.心内膜炎
4.心筋梗塞,冠動脈病変
5.血管病変

【6】肺病変
1.胸膜病変
2.肺臓炎・間質性肺炎
 1)急性ループス肺臓炎
 2)慢性間質性肺炎
 3)肺胞出血
3.肺血管病変
 1)肺高血圧症
 2)肺血栓・塞栓症
4.横隔膜病変
5.その他

【7】消化器病変
1.消化管障害
2.腹膜炎・腹水
3.腸管の血管炎
4.非血管炎による腸梗塞
5.炎症性腸疾患
6.蛋白漏出性胃腸症・吸収障害
7.膵炎
8.肝障害
9.食道障害

【8】血液学的病変
1.貧血
 1)炎症に伴う貧血
 2)自己免疫性溶血性貧血
 3)鉄欠乏性貧血
 4)その他
2.白血球減少
 1)顆粒球減少
 2)リンパ球減少
3.血小板減少
 1)血小板減少症/血小板減少性紫斑病(thrombocytopenic purpura:TP)
 2)血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)
4.抗リン脂質抗体症候群
 1)定義
 2)aPLの生物学的特性
 3)aPLの分類
 4)臨床症状
 5)診断基準
 6)治療
5.血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome:HPS)

【9】内分泌系障害,膀胱障害
1.甲状腺疾患
2.1型糖尿病
3.副腎不全
4.副甲状腺疾患
5.高プロラクチン血症
6.膀胱障害

【10】合併症
1.感染症
2.糖尿病
3.消化性潰瘍
4.骨粗鬆症・圧迫骨折
5.無菌性骨壊死
6.動脈硬化,心筋梗塞,冠動脈病変
7.悪性腫瘍

【11】妊娠・出産
1.妊娠・出産の容認
2.妊娠がSLEに及ぼす影響
3.胎児へ及ぼす影響
 1)児の転帰・予後
 2)抗リン脂質抗体(aPL)による習慣流産
 3)新生児ループス
4.妊娠・出産の治療・管理
 1)妊娠中の治療・管理
 2)分娩時,分娩後の留意点と治療・管理


Ⅷ章 臨床評価/日常生活指導
【1】臨床評価
1.活動性指標
 1)日本における活動性判定基準
 2)欧米における活動性判定基準
2.傷害度指標
3.健康度指標(QOL評価)

【2】日常生活指導
1.安静について
2.食事について
3.薬について
4.歯の治療,外科的手術について
5.予防接種について
6.紫外線,日光照射について
7.戸外スポーツ,レクリエーション
8.家事について
9.鍼,灸について
10.結婚について
11.妊娠・出産について
12.避妊について
13.指摘難病の医療費の助成について

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序文

第3版 序文

2006年初版の本書はこのたび第3版の発刊となり,これを機に今回も新たな知見,進展のみられた事項を中心に改訂させて頂いた。
遺伝的要因については,長年,土屋尚之教授(筑波大学医学医療系分子遺伝疫学研究室)との共同研究により数多くの日本人のSLE疾患感受性遺伝子を明らかにしてきた経緯がある。その成果は土屋教授とその門下生による絶え間ない研究と詳細な解析によるものであり,本書では,これまで見出された疾患感受性遺伝子の解説とともにそれから推測されるSLEの発症機構について土屋教授にご執筆頂いた。改めて土屋教授と門下生の皆様に感謝の意を表する次第である。
臨床的には,2015年にヒドロキシクロロキン(HCQ)とミコフェノール酸モフェチル(MMF)が保険適用となり,治療法の選択肢が増えている。HCQは副作用による網膜症が薬害による社会的問題に発展し1974年より使用禁止となったが,再び皮膚型SLE,およびSLEに適応症として承認された。副作用に関し,禁止前に使用経験の豊富な故・塩川優一教授の遺稿を掲載させて頂いた。MMFはループス腎炎に適用されシクロホスファミドと同等の有効性が示されているが,人種差のあることも指摘されている。ベリムマブはSLEの生物学的製剤として初めてFDAに承認されたが,それ以外にも病因・病態に関わる分子を標的とする数多くの治療法が検討されており,その現況についても触れた。多彩な病態を有するSLEの臨床試験の難しさも指摘されているところであるが,今後の発展に期待したい。
2014年の難病法成立に伴う指定難病による医療費助成の経過措置は2017年12月で終了となり,2018年1月1日からは一定以上の重症度を認める場合に医療費助成の対象となる。
前版同様,浅学菲才のため網羅できなかった点も多々あると思われるが,忌憚のないご批判,ご叱正を頂ければ幸いである。
末筆ながら,本書の出版に際し日本医事新報社出版局の皆様に多大なご尽力とご協力を頂き,深く感謝の意を表する。

2017年7月
橋本博史

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